2007/11/9 金曜日

留学生の不法滞在

Filed under: アメリカ留学事情ブログ,留学FAQ — 金 幸一 @ 22:15:05

先日、親しくしていただいている韓国人の大学教授から急に電話で相談がありました。

どうやら、アメリカに留学した教え子の学生が大学に3ヶ月も行っておらずに(病気もあったようで)、法律上では米国で不法滞在となってしまっているらしく、 それが心配で対処法についてのアドバイスを聞いてこられました。

以前に行っていた学校に通うのをストップして3ヶ月。最近、他の学校に転校を希望して願書を提出したが、既に以前の学校からは除籍されており3ヶ月間の不法滞在となってしまっているため、入学を拒否された。どうしたらよいだろうか?

こういったケースは昔からよくあることですが、テロの影響でアメリカでの不法滞在者への取締りが厳しくなった昨今では留学生にとっては深刻な問題となってしまいます。

数週間程度の不法滞在であれば、学校によっては入学許可を出して移民局に掛け合ってくれることもあると思いますが、3ヶ月もたってしまうと、規制が厳しくなっているこのご時世では、残念ながら受け入れてくれるような大学はまず無いといえるでしょう。

万一、入学許可を出してくれる学校があるとしても、最近よくあるケースですが次のような事も予想されます。

  • 正式に更新の手続きの為に留学生本人が移民局に書類提出の為に出頭した際に、直ぐにその場で留学生が拘束、逮捕のうえ強制送還となる。
  • またはその場で移民局から10日以内に自主的に退国しなさいとの行政命令を受ける。

さて上記のようなハイリスクをよく認識しながらの対処の仕方ですが、大きく分けて二つあると思います。

オプション1:

危険なリスクを承知また覚悟して、あくまでも学校サイドや移民局に粘り強く、嘆願、ごり押しをする。

オプション2:

直ぐに飛行機の切符を買って、一時帰国し、本国から再度留学手続きをおこなう。

もちろん、オプション2を選択して日本(または留学生の母国)に帰国するのは急に飛行機のチケットを購入するなど大変なコストと米国への再入国までの再審査等々、時間と労力がかかる事は間違いありません。アメリカに居ながら解決できればもちろん当事者の留学生にとっては一番安価で簡単な方法とも言えますが、しかし重ねてこの際の「ハイリスク」を説明しますが、一度、強制送還、行政命令処分等になると非常に不利な状況となり、米国での不法に滞在した記録が残り、長期にわたり再入国等の際に非常に不利な状況となります。最悪のケースで強制送還になりそうな時には、どうにか「次の日本行きの飛行機のチケットを買って直ぐに帰りますので。。。」等々の陳情をして、「自主退国」にして貰う事が最善かと思います、しかしその際に必要となる正規料金の飛行機のチケットはとてつもなく高くつきそうですが。

留学生の多くはアメリカの自由な雰囲気に憧れ、つい度を超した自由奔放な行動をとる人がいますが、平和で豊かな社会に育った日本人留学生にはアメリカではそこら中にある「ハイリスク」な生活行動の選択をするという事の本質がよく理解できていない人が多いようです。

留学が一般化した現在、安易な気持ちでアメリカに来る若者が多くなりましたが、学校をサボって安易にこちらで生活をすると、、犯罪者扱いで逮捕されて拘置所に入り、挙句の果てに移民局の捜査官の付き添いで日本に強制送還となるような学生が珍しくない時代となりました。

しかし珍しく無くなったので、そのような苦境にも負けずに平気で居るような図太い「悪ガキ」日本人が増えたのか?、と、変に感心をすることも出来るのですが、見ていると残念ながらこのような行動をとる日本人留学生の多くは小心な人が多く、大ショックを受けて日本に戻っている学生が多いようです。

やはり、最善のお勧めは不法滞在になってしまった人は「さっさと自主退国で日本に帰りましょう」。未練がましく無理をするよりも、日本に帰ってから努力をしてアメリカに再入国する事にエネルギーを費やすほうが良いと思われます。

身方の拘束を受けて、一般の拘置所(スペースが足りずに刑務所を使うところもあります。移民局で独自に拘置施設を持っていることは殆どありません。)に入ることになると、それこそ体の隅々まで身体検査を受けて、不法滞在どころか、一般の犯罪者と部屋を共にする大変な体験をする事になります。小心な人でなくても、これは多大な精神的なダメージがあるでしょう。また将来に関しても長期において米国に再入国することが非常に困難(最低10年は原則的に認められないようです。)となる大変なリスクを伴う選択をです。

留学生の不法滞在に関するトラブル解決、これからも続きそうです。。。。。

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